Nested ESXi 構築時のレシピまとめ (vSphere 6.5 + vSAN)
物理サーバ上に ESXi をインストールすることで Windows や Linux などのOSを仮想環境上で動かすことができます。 しかし、ESXi を自体も仮想マシンとして作成することで、ESXiのインストール手順やアップグレード手順などを検証することができるようになります。 また、複数のESXi を用意して vSphere HA や vMotionなどの機能も検証することもできるようになるので、勉強するにはもってこいの機能です。 ESXiを動かす環境を用意するには物理サーバが必要ですが、この方法であれば少ない物理サーバであっても大丈夫です。
このように仮想マシンとしてデプロイされる ESXi は「Nested ESXi」などと呼ばれ、VMware製品の検証環境を作る定石になっています。
Nested ESXi をデプロイするにはいくつかのお作法がありますので、備忘録としてまとめておきます。
- 1) VMware Toolsインストール
- 2) ゲストOSのバージョン設定
- 3) hardware-assisted virtualization (HV)有効化
- 4) ハードウェア仮想化機能をゲストに公開
- 5) CPU/MMU仮想化設定
- 6) vSAN構成時のエラー対処
1) VMware Toolsインストール
ESXiも仮想マシンとして動作しますので、VMware Toolsがないと色々と不便です。vSphere 5.x では以下のリンクにあるFlingをインストールする必要があります。 vSphere 6.0以降であれば組み込まれているので不要です。
2) ゲストOSのバージョン設定
ゲストOSのバージョン設定は、Windows Server や CentOSなど選ぶ事ができます。Nested ESXi の場合は「ゲストOS」を「その他」に設定し、ESXi バージョンを選択します。
下記例では 5.x を指定していますが、6.x や 6.5 が選択できます(ESXi 6.5 の場合)ので、環境に合わせて設定します。
3) hardware-assisted virtualization (HV)有効化
ハードウェア仮想化機能を仮想マシンに提供するため、物理サーバ上の ESXiホストで以下のコマンドを実行します(再起動は不要)。
echo 'vhv.allow = "TRUE"' >> /etc/vmware/config
コンフィグを確認し、以下のように追加されていれば完了です。
4) ハードウェア仮想化機能をゲストに公開
前項 2)と関連しますが、ハードウェア仮想化機能を仮想マシンにも公開(Expose)するため、Nested ESXi の仮想マシン設定を開き以下のチェックボックスを有効にします。
6) vSAN構成時のエラー対処
Nested ESXi が vSANデータストア上にある場合、ESXiインストールが開始されるとエラーがでて失敗します。インストールするバージョンによってエラーメッセージは異なります。
この事象の対処法は以下のブログに紹介されていました。コマンド1行を物理サーバ上の ESXiで実行すればOKです。
コマンド:
esxcli system settings advanced set -o /VSAN/FakeSCSIReservations -i 1
と、ここまで書いてきましたが。。。
このようにNested ESXiの構築は手間がかかっていたのですが、現在は以下のようにOVFでデプロイするだけの Nested ESXiが非公式ながら提供されています。まだ使ったことがないので、試して気づいたことがあれば記事を書こうと思います。
では。